2015-07
ニーズ型ビジネスと、ウォンツ型ビジネス(その2)
前回、ビルメン業界は、定期的に必要なサービスを提供しているので、
ニーズ型の模範的なビジネス、と書きました。
ただ、ニーズ型ビジネスの悩みは、競合が多くなること。
ビルメン業界も例外ではなく、同業他社との価格競争で、業務単価の
ディスカウントが生じています。
またさらに問題なのは、昨今のデフレ傾向で、人々がビルメン業界の
サービスを必要とする頻度が減少傾向にあることです。
週に3回で契約していた清掃業務を、週2回に減らされる。
月に2回だったはずの点検業務が、月に1回でと言われて減額交渉。
安定したニーズ型ビジネスであるが故の、悩みとも言えます。
ニーズ型ビジネスで価格競争を避け、発展を続けるには?
それは、競合のないところで勝負することです。
競合の少ない分野に事業を広げるか、サービスの質を圧倒的に
向上させるか、のいずれかになります。
ここで、当協会がビルメン業界の新たなメニューに、と提案している
外壁打診事業の性質を見てみましょう。
外壁打診事業では、法律で「十年に一度は全面打診をする」ことが
定められています。打診のサービスは、十年に一回必要とされます。
デフレ下においても、法律の定めにより、その回数は変わりません。
また現在、ロープブランコによる外壁打診事業に積極的に取り組んでいる
業者は、まだまだ少ない状況です。安価な全面打診調査の方法として、
ブランコを利用する工法は圧倒的に優位にありますので、価格設定を
考える上でも、無理なディスカウントをする必要はありません。
外壁打診事業は、ニーズ型の事業としては件数が安定していますし、
これからも依頼はもっと増えるでしょう。価格の比較対象も、赤外線や
足場工法など別業界となりますので、業界内で角逐する必要が
ありません(同じ業界で価格競争するのは、避けたいですよね)。
ストレスなく、安心して事業に取り組むことが出来るという利点も
外壁打診事業にはあります。ポジティブな気持ちで仕事できる点も、
この事業の魅力ですので、興味のある方はぜひ取り組んでみて下さい。
ニーズ型ビジネスと、ウォンツ型ビジネス(その1)
外壁打診調査協会 理事の和田 裕です。
先日、とあるビジネスセミナーに参加してきました。
色々な業種のビジネスマンが集まるセミナーだったのですが、
顧客をどう集めるか、というマーケティングに関する内容が
充実していました。
その中で私が興味を持ったのが、セミナー講師の次の言葉でした。
「世の中には、ニーズ型ビジネスと、ウォンツ型ビジネスがある」
「自分のビジネスがどちらに該当するのかを分析し、それぞれの
ビジネスに合った形で、集客の戦略を練る必要がある」
ニーズ型(必要型)は、必要に迫られて買う商品を扱うものであり、
ウォンツ型(欲求型)は、なくても困らないが、人によっては非常に
欲しいというたぐいの商品(サービス)を扱うもの。
食べ物で言いますと、お米やパンを扱う商売はニーズ型、霜降り肉
など高級食材を扱う商売はウォンツ型の性質が強いです。
またクルマで言いますと、営業に必要なライトバンはニーズ型、
スピードやスタイルを楽しむオープンカーはウォンツ型です。
ここまで聞いていて、ビルメン業界のメニューは、ウォンツ型より
ニーズ型の性質の方が強いのではないかと思いました。
ビルやマンションをきれいに保つのに必要だから、ビル清掃の
需要が起こるわけで、より高級で特殊なサービスでない限り、
「是が非でも、○○社のサービスが欲しい」とはなりづらい。
また、そのセミナーの参加者には、独立志向の高いサラリーマンも
多く含まれていたので、こんな言葉も講師が言っていました。
「独立して新規事業に取り組むなら、ニーズ型の方が、ビジネスが
安定するまでの期間が、短く済みますよ。
ただし、世の中には同じことを考える人がたくさんいるので、
同業との競争も発生しやすい。低コスト化や、事業の多角化など
常に先を考えて行動する必要もあります。」
この言葉も、深く納得できました。
人に「欲しくてたまらない」と思わせるような商品を考えるのは大変
ですが、人が毎日、毎週、毎月必要なものを扱えば、買ってくれる人を
見つけさえすれば、商売が成り立ちます。
ビルメン業界は、定期的に必要とされる清掃サービスを提供している
のですから、ニーズ型の模範的なビジネスであると言えるでしょう。
気になるのは、後半の「同業との価格競争」です。
次回、外壁打診事業と絡めて、ニーズ型ビジネスの発展について考えます。
(7月18日更新予定)
法改正により、定期報告制度が変わります
外壁打診調査事業セミナーに参加頂いた方には、
セミナーのタイミングで、最新の情報をお伝えしていますが、
実は昨年、建築基準法の、定期報告制度に関する部分の改正が
閣議決定され、来年から施行となります。
改正内容の一部に、「建築物調査員」という新しい資格制度が
含まれています。
定期報告を各自治体に提出するのは、1級建築士、2級建築士、
そして「特殊建築物等調査資格者」の名義で行う仕組みです。
来年以降、「特殊建築物等調査資格者」の資格はなくなり、
新たに設けられる「建築物調査員」に入れ替わる予定です。
「えー、『特殊建築物等・・・』の資格、もうなくなるの?
資格取り直しかよ~。だまされた~」
と心配する人もいるかもしれませんが、ご安心を。
既に「特殊建築物等調査資格者」の人は、自動的に
「建築物調査員」となるので、新たな講習を受ける必要はありません。
特殊建築物等調査資格者に、こんなお知らせが届いているはずです。
書面に書いてあるように、新たな講習を受ける必要はありませんが、
新しい資格証の交付を受ける必要があるようです。
来年以降の改正は、定期報告の対象建物が増加するという
外壁打診業界にとってはプラスの側面もあります。
「いちいち調べるのが面倒くさい」という方は、
再来週に開催の外壁打診調査事業セミナーに
ぜひ参加して下さい(残席わずかです)。
この事業の面白さがより深く伝わるよう、セミナー内容を
リニューアルしてお待ちしております。