定期報告制度への、素朴な疑問(その1)
外壁打診調査協会・理事の和田です。
大型連休も終わり、いよいよ大阪でのセミナーが近づいて参りました。
今回のセミナー企画を控え、関西方面での「定期報告制度」実施状況を
関係する官公庁へ、事前に問い合わせてみました。
基本的には、東京とほぼ同じ基準で実施されていることが確認できました。
なので、今東京方面で外壁全面打診の需要が増している状況と同じ現象が
関西方面でも起こることは、ほぼ確実と言っていいでしょう。
ところで、大阪市の定期報告制度の提出先である、大阪建築防災センターの
ホームページを閲覧したところ、面白いQ&Aを見つけました。
定期報告制度に対する素朴な疑問に答えているのですが、
なんともリアルで、生々しいやりとりが、そこにありました(笑)。
何度かに分け、幾つか見ていきましょう。
まずは、一番ストレートで面白かった質問から。
Q:費用もかかるが、定期報告をやる意味があるのか?
・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・そうですよね。
この質問のモデルになった、大阪の方の気持ち、よくわかります。
建物の痛み具合について、わざわざお金を掛けて報告書を提出する。
「大きなお世話だ」「自己責任でやるよ」とも言いたくなります。
さらに、ただ報告するだけにしては、
「10年に一回は外壁を全面打診せい!」など、ずいぶん大がかりな要求もある。
そこまでしてやる必要が、果たしてあるのか?
もっともな疑問です。
単刀直入に言うと、必要です。
自治体によって対象の建物・規模が異なりますが、建物が対象とされた場合、
全国一律で、定期報告することが法律で義務づけられています。
要するに、定期報告書提出の要請が建物オーナーさんに届いたら、
何人たりとも、報告書の提出からは逃れられない、ってことなんですね。
法律で決まった、お上のお達しなもんですから、抜け道はほぼ、ない。
「うちの県なら」「うちの市なら」と特例を探したくもなりますが、
その手は通用しなさそう。
実際、大阪建築防災センターさんに、抜け道がないかどうかあれこれ聞いて
みましたが、定期報告も外壁全面打診も、抜け道はありませんでした。
では、質問にある「定期報告の意味」って何なのでしょうか。
次回は、それを考えてみたいと思います。